耕水原理

耕水原理の特性と効果

(9)天然物が得られる食物連鎖養殖漁場が形成される

 層流のローテーション効果で活きた水底は、リン・窒素・底泥を肥料にしてプランクトン(魚介類の餌)を生産する畑である。バイオファンで水を耕して、水底を活かして行なう養殖は中国、台湾、 マレーシア、インドネシア、ベトナム、サウジアラビア等、アジア全土で行なわれている。
 サウジアラビアでは、1haの池に消費電力が52Wのバイオファンを4台浮かべて、9.7トンもの餌(リン、窒素源)を投入してエピを養殖している。それによると、エピの生産量は 5.773トンであった。わずかな電力で、薬剤を用いないで、健康なエピが91%の高い生存率で生産できて、獲れたエピは臭わない。水も汚れないし、底泥も少なく腐敗臭もしない、と好評であった。
 中国では7000m²の池に消費電力が52Wのバイオファンを3台浮かべて、エピ:348Kg、アサリ:3,860Kg、カニ:755Kg、アゲマキ貝:1,160Kgもの、臭わない、高品位の魚介類を生産している。このほかにも、ウナギ、ナマコ、スッポンなどにも用いられ、優れた結果が得られている。
 要するにこれは、耕水原理によると、リンも窒素もヘドロについても心配無用ということで、餌、つまり、リンと窒素をもっと投入して漁獲量を増しでも、池・湖沼・入り海は腐敗しないで、大漁場に生まれ変わることを立証したものである。
 水の汚れもヘドロも心配しないで、臭わない、良質の魚介類が獲れる、宝の漁場の振興で、全国の過疎地を活性化する、地域興し国興しの新産業の復興が、耕水原理で実現可能であることを、アジアにおけるバイオファン養殖の事例は、保証しているのである。