食物連鎖養殖 BIOFAN CULTURE
漁業の復興と水質の改善を兼ねた加茂湖活性化計画(案)
(1)実施場所
新潟県佐渡加茂湖
(2)形状・面積・平均水深の見積り
面積:2,300,000m² (230ha)
平均水深:約3m
《加茂湖の形状・面積の見積り図》
(3)設備
バイオファンの仕様 | 製品名 バイオファン《耕水機》 型名 A400W型 電源 AC200V(50Hz)3.5A 耕水量 410,000 [m³/日] |
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台数 | 1台 |
設置 | 最深部の所に浮かべてアンカーで固定する |
維持費 | 電気代 26万円/年 駆動部 8万円/年 |
水底の酸欠は、佐渡の気象条件と加茂湖の塩分の濃度の分布状態に依存している。したがって、先ず1台浮かべて、水温が一様になる面積を実測してみる必要がある。佐渡では、 8月上旬から翌年の3月下旬の期間で、水温が一様化される面積は1台で60haであるが、 4月上旬から7月の下旬の期間では、面積が狭まる傾向がある。これを実測し、確認して、加茂湖を活性化するのに5台必要なのか、それとも4台で十分なのかを決定しなければいけない。
《バイオファンの特性と機能(8)・水中に形成される流管の形状・温度成層解消条件参照》
(4)漁業に及ぼす効果(5台浮かべた場合)
貝化石に含まれる元素の割合は、Caが27.8%、Siが9.52%である。この割合から、CaとSiの元素の組み合わせを計算してみると、貝殻は、Ca2個に対して、Siが1個の割合で構成されていることになる。これは、ケイ素が無ければカルシウムは活かされないということで、ケイ素は、カルシウムと同様、魚介類に必要不可欠な、必須ミネラルであることを意味するものである。
川の水が持ち込むケイ素と、海水が持ち込む多量のカルシウムで満たされた加茂湖は、宝の漁場になる条件を備えた汽水湖である。が、汽水湖特有の回避できない定めで、年々ヘドロが蓄積され、年々漁獲量が減少しているのが実状である。表層と底層の塩分濃度と温度の差による、底層水の閉じ込めで、水底が酸欠になっていて、それが原因で、水底に沈降したケイ藻が、水底でヘドロ化して有効に活用されていない。加茂湖に限らない。このことは、全国の汽水糊にいえることである。
ケイ藻を活かして、汽水湖をもとの宝の漁場に蘇生する方法はただひとつである。パイオファンを浮かべて水を耕して、ヘドロに酸素を供給して、ケイ藻がヘドロ化しないようにすること、これに尽きる。
《耕水原理の特性と効果(1)〜(11)参照》
- ・A400W型のバイオファンを5台浮かべると、加茂湖の全水量が、3.4日で風と太陽の光に晒される計算である。
- ・この3.4日間に、光合成で生産される酸素は160t~230tで、およそこの半分の80t~120tの酸素が水底に堆積したヘドロに供給されることになる。
- ・酸素を得て活きた水底で、水質が改善れ、加茂湖は大漁場に生まれ変る。
《耕水原理の特性と効果(1)〜(12)参照》 - ・魚介類の生息許容量は約1430トンである。
《耕水原理の特性と効果(9)参照》
(中国で得られた、1m²当たりの漁獲量の平均値の70%を採用した。)
(5)1年経過後のC0D値の推定値
《池・湖沼浄化方程式参照》
A400W型のパイオファンを5台浮かべた加茂湖に、年間、加茂湖の湛水量のn倍の水量が流入したとして、その流入水の年平均CODがCi ppmであったとすると、1年経過後の加茂湖のCODは次式で表わされる。ただし、年平均降雨量は1.8m/年とした。(理科年表参照)
C = n2 Ci/(5.3+n2)