食物連鎖養殖 BIOFAN CULTURE

漁業の復興と水質の改善を兼ねた児島湖活性化計画(案)

(1)実施場所

岡山県児島湖《児島湖ハンドブック(平成14年岡山県発行)参照》

(2)形状・面積・平均水深の見積り

水面の総面積(S0):約8.0×106m²(平均水深 約1.8m)

活性化対象面積(S):約6.2×106m²(平均水深 約2.0m)

《児島湖の形状・面積の見積り図》

児島湖の形状・面積の見積り図

(3)設備

バイオファンの仕様 製品名 バイオファン《耕水機》
型名 A400W型
電源 AC200V(50Hz)3.5A
耕水量 4.1×105m³/日
台数 12台
設置 水深を考慮して浮かべてアンカーで固定する
維持費
(12台の維持費)
電気代 145万円/年
駆動部 60万円/年

(4)漁業に及ぼす効果

 児島湖の水底は腐敗気味で、魚、介類が生息できない状態になっている。その証拠に水底で生息するヒメタニシが見当たらない。河口の所でわずかに生息しているのが確認されているだけである。魚類・甲殻類の漁獲量も激減している。昭和40年代には1500トンから 2000トンあった漁獲量も、年々減少傾向をたどり、近年は、300トン前後で推移している。
 A400W型のバイオファンを12台浮かべて水を耕して、ヘドロに酸素を供給することで、約6.2×106m²(620ha)の水底が活きて、児島湖はもとの宝の漁場に再生される。
バイオファンの特性と機能(8)水中に形成される流管の形状温度成層解消条件耕水原理の特性と効果(1)〜(11)参照》

  • ・A400W型のバイオファンを12台浮かべると、児島湖の全水量が、3日で風と太陽の光に晒される計算である。
  • ・この3日間に、光合成で生産される酸素は370t~560tで、およそこの半分の180t~280tの酸素が水底に堆積したヘドロに供給され、酸素を得て活きた水底で、児島湖は大漁場に生まれ変る。
    耕水原理の特性と効果(6)耕水原理の特性と効果(7)参照》
  • ・魚介類の生息許容量は約3800トンである。
    耕水原理の特性と効果(9)参照》
    (中国で得られた、1m²当たりの漁獲量の平均値の70%を採用した。)

(5)1年経過後のCOD値(4.7ppm)の算出

池・湖沼浄化方程式参照》

 ハンドブックを用いて諸量を見積もり、下記の数値を得た。
S0 = 8.0×106m² S = 6.2×106m² H = 1.8m
Ci = 6.65ppm m = 5.5×108m³ hr = 1.16m
n1 = S/S0 = 0.78 n2 = m/S0 H=40
これらと、
t = 365日 κ = 2.0×10-8 M = 12台×4.1×105m²/日
を浄化方程式に代入すると、1年経過後のCODは4.7ppmと算出される。
 酸欠の水底で、1日に生産される有害なCODの、単位面積あたりの生産量は、Q = 1.2 [g/m²・日]であった。バイオファンで水を耕すと、水底が活きて、この有害なCODが発生しなくなる。上記の4.7ppmは、Q = 0として求めた結果である。
 また、計算に狂いがあって、仮に、CODが計算値以上になったとしても、それは農業にも漁業にも悪影響をおよぼさない、無害なCODである。
耕水原理の特性と効果(4)参照》